『凛として弓を引く 初陣編』 碧野圭 | 固ゆで卵で行こう!

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〈凛として弓をひく〉シリーズ3作目。

弓道の試合があり、学園祭がある中で、進路について悩み、人間関係に悩み、そして弓に悩む。

うーん、まさに青春って感じでしょうか(笑)。


部活(同好会)内外で揺れる楓の心情。

人の顔色をうかがってしまったり、一歩引いて見てしまったり、その生真面目さが良く表されていて、自分もそうですが、同じように感じる読者も多いと思いますし、その辺りに共感する人も多いのではないでしょうか。

そんな中で弓道を通じ、弓は勿論ですが、確実に成長していく様子がとても清々しいですね。

楓の成長を促すような、指導する立場だったり寄り添ったりする周りの大人たちがいてこそなのかも。


ところで学園祭にて、楓が密かに想いを寄せている乙矢が、見学にきていた他校の生徒あ楓に対して取った行動に怒りをあらわにする姿というのは、乙矢の楓への気持ちが本気みたいのようで思わずフフフって感じで読んでしまいました(笑)。

でも、その怒る姿を怖いと感じる楓なんですが、そういった様子も含めてその昔に読んだ『丘の家のミッキー』を思い浮かべたりもしました。


それにしても、部活の試合のように的に当てる事を主とするものもあれば、弓道といっても的に当てる事よりも「道」を重きに置く弓というものもあり、それはまさに人生そのものに向き合う事なのでしょうか。

そういった弓の道を知った事で心境の変化を受ける楓の成長を見守りたいですし、続きが楽しみです。